佐賀県武雄市にある「御船山楽園ホテル らかんの湯」は、サウナ好きなら一度は訪れたいサウナの楽園です。
全国のサウナ施設を格付けする「サウナシュラン」で2019~2021年と3年連続日本一に輝いた実績も持ち、そのクオリティと独自性は折り紙付き。
雄大な御船山の自然に包まれながら、セルフロウリュが楽しめる薪サウナや16℃の天然水風呂、さらには焚き火を眺める外気浴まで、五感が喜ぶ極上の“ととのう”体験が待っています。

サウナ

御船山楽園ホテル「らかんの湯」のサウナはまさに唯一無二の体験です。
2021年10月に新設された薪サウナ室には、世界最大級(横2m×縦1.8m)サイズの薪ストーブが鎮座しています。
武雄近郊の間伐材をくべたストーブの上で、地元御船山で採れた古石が赤々と熱せられ、その石に武雄温泉の源泉水を自分で豪快にロウリュ(注水)できるセルフロウリュスタイルです。
ジュワッという音とともに立ち上る蒸気、薪が焦げる香ばしい木の香りに包まれると、体中から心地よい汗が噴き出してきます。

室温はおおよそ70~80℃前後ですが、室内には高さの異なる5段のベンチがあり、自分の体調や好みに合わせて下段でゆったり蒸されるも良し、上段でしっかり発汗するも良し。
さらにこの薪サウナ室では、天井に設置したマイクで御船山の森の生の音(鳥のさえずりや風の音)を流す工夫もされており、まさに自然との一体感を味わえる“瞑想サウナ”空間になっています。

薪サウナ以外にも魅力的なサウナが揃っています。
男性側大浴場には既存のメディテーションサウナ(ドライサウナ)も健在で、こちらでは佐賀嬉野産のほうじ茶と御船山の天然水によるセルフロウリュを楽しむことができます。
ほうじ茶ロウリュをすると、ふわっと広がる香ばしいお茶の香りに思わずリラックス。
設定温度は薪サウナよりやや高めの約85℃となっており、短時間でガッツリ汗をかきたい方にぴったりです。一方、女性側大浴場にはスチームサウナ(ミストサウナ)が用意されており、真っ白なかまくらのような幻想的空間でゆったりと蒸気浴が楽しめます。

女性サウナ室にはキューゲルと呼ばれるアロマボールも数種類用意されており、檜葉(ひば)やみかん、和ハッカ、バラなど好みの香りを選んでサウナストーンの上で溶かせば、優しいアロマの香りが広がって心身を癒やしてくれます。

男女でサウナ設備に多少の違いはありますが、それぞれ趣向を凝らした計3種類ほどのサウナがあり(ミストサウナ、薪サウナ、ドライサウナ)、どれも個性的なので何度でも入りたくなってしまいます。
水風呂

サウナで火照った身体を一気に冷やしてくれる水風呂も、「らかんの湯」の自慢のひとつです。
驚くなかれ、この水風呂にはすべて武雄温泉の源泉掛け流し温泉水が使用されており、それをキンと冷える16〜17℃程度にまで冷却しています。
キリッと引き締まるような冷たさでありながら、温泉由来のまろやかさも感じられる優しい肌触りの水です。
水深は約120cmとたっぷり深さがあり、まるで丸いプールのような円形水風呂にぷかぷか浮かぶこともできます。
段差状のステップが付いているので、腰を落として一気に肩まで浸からなくても階段を降りるようにスーッと自然に入水できる作りになっているのも嬉しいポイントです。
動線にも細かな配慮が感じられます。

サウナ室のすぐ脇にこの水風呂が配置され、天井からは自然光が降り注いでとても開放的な雰囲気。
さらに水風呂のそばにはオーバーヘッドシャワーも備えられており、汗を流してから即クールダウンできるスムーズな導線でした。
男性エリアでは露天風呂横に半地下構造の深い水風呂があり、女性エリアでも薪サウナ室の入口横に新たに源泉水を冷却したミニ水風呂が設置されていました。
また、男性側の地下水風呂には水琴窟(すいきんくつ)と呼ばれる仕掛けが施されており、甕(かめ)に落ちる水滴が琴の音色のように響いてとても風流です。
耳を澄ませば、チョロチョロと滴る水の音が体に染みわたり、クールダウンしながら心まで清められるような不思議な感覚になりました。
外気浴

サウナ→水風呂ときて最後は外気浴で「ととのう」時間です。
らかんの湯では、この外気浴スペースも相当に凝っています。
まず特筆すべきは、御船山の雄大な原生林を間近に望めるロケーション。
大浴場から一歩外に出るとウッドデッキのテラスが広がり、目の前に迫る緑の森と空の開放感に思わず深呼吸したくなります。

テラスの中央には象徴ともいえる巨大な「ととのえ岩」がゴロンと鎮座しており、まるで自然の中に身を委ねるようにその岩の上に寝転がることもできます。
実際、岩の上で大の字になってリラックスしている人や、座禅を組んで瞑想している人など様々でした。

もちろん岩だけでなく、周囲にはリクライニングチェアやふかふかのソファ、ベンチなど好きな姿勢で休める椅子がたくさん**用意されており、自分のお気に入りスポットで思い思いにクールダウンできるのが嬉しいです。
さらに夜の外気浴も格別です。テラスには直径120cm超の大きなファイヤーピット(焚き火台)が設置されていて、夜間は実際に焚き火が燃えています。
パチパチとはぜる炎を眺めながら夜風に当たっていると、心も身体もポカポカに温まり「これぞ至福…!」と思わず呟いてしまいました。
運が良ければ満天の星空まで拝めてしまいそうなロマンチックな雰囲気です。
しかも驚くべきことに、テラスの炉端では焼き餅サービスまで!スタッフさんが用意してくれた地元名物のかんころ餅(さつまいも餅)を焚き火で炙って、外気浴しながら頬張るという贅沢な体験もできました。
耳で森のせせらぎを聞き、目で炎と緑を楽しみ、口で佐賀の味を楽しむ――五感フル稼働の外気浴タイムに、思わず「ここに来て良かった!」と感じること間違いなしです。
注意点(利用前に知っておきたいこと)
ポイント | 詳細 |
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完全予約制・定員制 | 日帰り入浴は事前予約必須。各回男女10名ずつ、2時間半の入替制(1日4部)で、例えば15:00~17:30、17:30~20:00など。人数制限のおかげで快適に過ごせる一方、週末は早めの枠埋まりに注意。 |
入場制限・グループ規定 | 中学生以下(未就学~小学生)は利用不可。同性4名以上のグループ利用も不可。静かな“大人のサウナ”環境を保つためのルールです。 |
タオル・宿泊者特典 | 入浴料にフェイスタオル貸与が含まれる(バスタオルは貸出なし)。宿泊者は夜と翌朝で男女入替制の両方の浴場を体験可能なので、より多彩な楽しみ方ができます。 |
良かったところ
らかんの湯を実際に利用して「ここが良かった!」と感じた推しポイントを挙げてみます。
ポイント | 概要 |
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サウナ・水風呂・外気浴の完成度 |
薪サウナの熱と香り、16℃源泉水風呂のまろやかな冷たさ、御船山を借景にした外気浴が 一連の動線で完璧に組み合わさり、終始「気持ちいい!」の連続 |
ホスピタリティが神レベル |
廃墟を舞台にしたチームラボアートの鑑賞、DETOXウォーターや嬉野茶の飲み放題、 自家製塩プリンや羊羹などスイーツ無料サービス、フレンドリーなスタッフのおもてなし |
お湯のクオリティが抜群 |
1300年の歴史を持つ武雄温泉の“美肌の湯”を100%かけ流しで使用。 入浴後は肌がつるつるスベスベになり、サウナ後の仕上げとして最高のフィニッシュを提供 |
非日常の世界観 |
御船山の森が迫る露天や薪ストーブの揺らぎ、館内の鏡・照明演出、 夜の焚き火などアート×自然を融合させた「ボーダレスサウナ」空間で、別世界に迷い込む感動 |
気になるところ
正直、あまりにも満足度が高く欠点らしい欠点は見当たらなかったのですが、あえて気になる点を挙げるとすれば以下のような点でしょうか。
気になるところ | 詳細 |
---|---|
料金が高め | 日帰り入浴4,400円(税込)は一般的な温泉やサウナより割高。ただし、アート鑑賞やドリンク・スイーツ付きなど内容が贅沢で、「安い!」と感じる人もいる反面、高く感じる方もいるかも。 |
予約・時間制限のハードル | 完全予約制で2時間30分の時間制限あり。無制限入浴の温泉とは勝手が違い、旅行の日程に組み込みにくい・急に行けないなど不便さも。ただ、定員制で快適さが保たれているメリットも。 |
人気ゆえの混雑 | サウナブームの影響で土日祝や連休シーズンは予約枠が早めに埋まりがち。利用後半は次枠の人も合流し人数が増えることも。静かに独り占めしたい場合は平日早朝がおすすめ。 |
アクセス・料金
項目 | 詳細 |
---|---|
所在地 | 佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100(御船山楽園ホテル 内) |
アクセス |
電車: JR佐世保線「武雄温泉駅」より車で約5分 車: 長崎自動車道 武雄北方ICより嬉野方面へ約5km ※ホテル敷地内に無料駐車場あり |
日帰り入浴時間 |
15:00~24:00の間で2時間30分入替制(1日4部) ※例:1部 15:00~17:30、2部 17:30~20:00 など |
定休日 | 不定休(メンテナンス等で臨時休業あり。要事前確認) |
料金(大人日帰り) |
4,400円(税込)/ 1名 料金に含まれるもの: 大浴場入浴(サウナ利用可)、フェイスタオル貸与、館内アート展鑑賞、喫茶室でのワンドリンク(EN TEA Houseにて) |
備考 |
中学生以下は利用不可、同性4名以上のグループ利用不可 完全予約制(公式サイトまたは電話予約) |
まとめ
御船山楽園ホテル「らかんの湯」は、佐賀が誇るサウナ&温泉の新聖地とも言える存在でした。設備・演出・お湯・サービス、どれを取っても大満足で、「ここに来るためだけに武雄を訪れる価値がある!」と断言できるクオリティです。
実際、遠方からこのサウナ目当てに訪れる人も多いようで頷けます。私自身、あの薪サウナの香りや外気浴で見上げた森の風景が忘れられず、記事を書いている今も思い出すだけでととのいそうです(笑)。
佐賀旅行の際はもちろん、サウナ好きなら一度は体験して損はない極上空間でした。ぜひ皆さんも御船山楽園ホテル「らかんの湯」で、“究極のととのい”体験を味わってみてください。きっと心も体も生まれ変わるような爽快感に出会えるはずですよ!
